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日別アーカイブ: 2025年9月18日

変遷

こんにちは、青光社ブログ更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

1|戦前〜昭和初期:地域共同体と寺院中心の葬儀

  • 葬儀は自宅で執り行うのが一般的。

  • 地域の人々が互いに助け合い、棺の準備や通夜・葬列を支えた。

  • 宗教儀礼は寺院が主導し、葬儀屋はまだ“道具や棺の販売業者”としての役割が中心。
     この時代の葬儀屋は「葬具提供者」の色が強かった。


2|高度経済成長期(1950〜1970年代):都市化と専門業の台頭

  • 核家族化と都市化の進展により、地域や親族による手助けが難しくなる。

  • 葬儀屋が「遺体搬送・葬儀進行・会場準備」を一括で請け負うスタイルが普及。

  • 互助会制度が登場し、月掛け金で葬儀サービスを利用できる仕組みが広まった。
    葬儀屋は「地域共同体の代わりを担う存在」へと進化。


3|バブル期〜1990年代:豪華葬儀と会館葬の普及

  • 経済成長に伴い、大規模で華やかな葬儀が社会的ステータスに。

  • 専用の葬儀会館が全国に建設され、自宅葬から会館葬へシフト。

  • 葬儀屋は「式の演出」「接待・進行管理」を担い、業界全体が拡大。
     この時代は「大きく立派に送る」ことが重視された。


4|2000年代:多様化と縮小化への転換

  • 少子高齢化・経済停滞・価値観の変化により、シンプルで小規模な葬儀が増加。

  • 家族だけで行う「家族葬」、火葬のみの「直葬」が浸透。

  • インターネット普及で葬儀費用の透明化が進み、比較検討される時代へ。
    葬儀屋は「多様なプランを提案できる総合サービス業」へ。


5|現代(2010年代〜2020年代):個別化とサービス産業化

  • 葬儀は「故人らしさ」を重視し、音楽葬・生花祭壇・メモリアル動画などが一般化。

  • 終活ブームにより、事前相談や生前契約のニーズが拡大。

  • 葬儀屋は、葬儀のみならず「相続相談」「遺品整理」「海洋散骨」までトータル支援。

  • コロナ禍を経て、オンライン葬儀・リモート参列という新しい形も登場。
     葬儀屋は「人生の最期をデザインするパートナー」へ進化。


6|これからの展望

  • デジタル化:AIによる費用見積もり、オンライン追悼サービスの普及。

  • 多様な供養方法:樹木葬・散骨・デジタル墓などの新スタイルが増加。

  • コミュニティ再生:孤独死・無縁社会への対応として、葬儀屋が「見守りサービス」や「地域連携」に関わる可能性。

  • サステナブル葬儀:環境配慮型の棺や祭壇、エコ火葬の導入。


まとめ

葬儀屋の歴史を振り返ると、

  • 戦前:道具提供者

  • 高度成長期:共同体の代替

  • バブル期:豪華葬儀の演出者

  • 2000年代:多様化への対応

  • 現代:人生の最期をトータル支援する存在

へと大きく変遷してきました。葬儀屋は今もなお、社会の変化に合わせて進化し続ける存在です。